昭和25年から変わらず愛される、
京都の初夏の風物詩「京都薪能」

日が落ちるにつれ、朱色の社殿を背景に、
篝火によって浮かび上がる能舞台。

毎年6月1日・2日、
平安神宮に幽玄の世界が立ち上がります。

現在は各地で開催されている「薪能」ですが、篝火をともす火入式を最初に行ったのが、この「京都薪能」であり、それが全国に伝播し現在の薪能のかたちとなりました。

能楽は、「幽玄」といわれるその独特の美学と伝統性。抑制された美を追求し、シンプルな舞台と象徴的な動作で深い情緒を表現します。

今年のテーマは「洛中洛外幽玄紀行」
京都は能楽のみやこ。多くの演目の舞台があります。古都・京都は街並み、文化、空気が当時のまま残っているところも多く、ぜひ本公演の鑑賞に併せて、各演目の舞台となった場所を訪れ、登場人物と同じ景色・空気を味わい、能楽の世界をより深めてみませんか。

  • 6月1日
  • 6月2日

比叡山の僧、武蔵坊弁慶は、五条の橋に現れるという人斬りを退治しようと向かいますが、そこで牛若丸と出会い、戦いの末に敗れます。牛若の正体が源氏の御曹司と知った弁慶は感服し、主従の契りを結ぶのでした。

早春の都で僧が梅の花を眺めていると、現れた女は自らを花に縁のない「蝶の精」だと明かし、成仏を願って立ち去ります。僧が一夜を過ごしその蝶の為に読経をすると、蝶は再び現れて梅の花と出会えた喜びを舞に託し、明け方に天へと舞い去っていきます。

大嘗会での役目を仰せつかった男は、自慢の大髭を誇りに思い準備を進めますが、貧しい暮らしに不満な妻と衝突し、髭を巡って大喧嘩に。妻が近所の女房たちを連れて髭を抜きに来ると知った男は、髭を守ろうと武装して待ち構えます。髭を巡る滑稽な攻防が繰り広げられる狂言です。

都を訪れた僧が六条河原院を訪れると、現れた老人はかつての主・源融の霊でした。僧と月を愛でながら語り合い、老人は姿を消します。その夜、融の霊が華やかに舞い現れ、かつての遊楽を月光の下に再現し、やがて名残を惜しみつつ消えていくのでした。

京都・嵐山の桜は、奈良・吉野山の神木。勅使が花を眺めると、花守の老夫婦が現れ、自らが吉野の神であると明かし消える。やがて神々が舞を捧げ、春の栄えを讃える神秘的な物語です。

豊後から来た僧たちが京都を巡る途中、五条大路で一人の女に出会う。彼女は『源氏物語』の夕顔の霊で、自らの悲恋と死を語り消える。僧が供養すると、夕顔は舞い、成仏して静かに去っていきます。

北野神社参詣の途中、主人と太郎冠者は男の太刀を奪おうとするが、逆に刀を取られてしまう。取り返そうと待ち伏せし捕らえるも、太郎冠者はその場で縄を綯い始め…諺「泥棒を見て縄を綯う」を描いた滑稽な狂言です。

比叡山の僧・法性坊が護摩の最終日、霊となった菅原道真が現れ、恩に感謝しつつ雷となって宮中に復讐すると告げる。後に雷神として現れた道真と法性坊が戦い、最後は天神となって去っていく壮大な物語。
  • ナビ狂言
    茂山 忠三郎・山本 善之
    茂山 茂・島田 洋海
  • 橋弁慶
    武藏坊弁慶
    河村 和貴
    牛若丸
    河村 和嘉
    都の者
    茂山忠三郎
    山本 善之
  • 火入式 Firelighting Ceremony
    京都市長・橋本 雅夫・山口 耕道
    井上 裕久  金剛 永謹  谷口 正壽
  • 胡蝶
    胡蝶の精
    金剛 永謹
    旅僧
    原 大
    原 陸
  • 髭櫓
    大髭の男
    茂山 千五郎
    女房
    鈴木 実
  • 融大臣
    浦田 保浩
    旅僧
    岡 充
  • 嵐山
    蔵王 権現
    種田 道一
    子守
    今井 克紀
    勝手
    山田 伊純
    勅使
    有松 遼一
    徒者
    岡 充
    原 陸
  • 夕顔
    夕顔の霊
    橋本擴三郎
    旅僧
    村山 弘
  • 太刀奪
    太郎冠者
    茂山 宗彦
    主人
    茂山 逸平
  • 雷電
    菅原道真の霊
    宮本 茂樹
    菅原道真の怨霊
    梅田 嘉宏
    法性坊律師僧正
    宝生 欣哉
    徒僧
    宝生尚哉
    小林 努
    能力
    茂山千三郎
  • ナビ狂言
    茂山 忠三郎・山本 善之
    茂山 茂・島田 洋海
  • 橋弁慶
    武藏坊弁慶
    河村 和貴
    牛若丸
    河村 和嘉
    都の者
    茂山忠三郎
    山本 善之
  • 火入式 Firelighting Ceremony
    京都市長・橋本 雅夫・山口 耕道
    井上 裕久  金剛 永謹  谷口 正壽
  • 胡蝶
    胡蝶の精
    金剛 永謹
    旅僧
    原 大
    原 陸
  • 髭櫓
    大髭の男
    茂山 千五郎
    女房
    鈴木 実
  • 融大臣
    浦田 保浩
    旅僧
    岡 充
  • 嵐山
    蔵王 権現
    種田 道一
    子守
    今井 克紀
    勝手
    山田 伊純
    勅使
    有松 遼一
    徒者
    岡 充
    原 陸
  • 夕顔
    夕顔の霊
    橋本擴三郎
    旅僧
    村山 弘
  • 太刀奪
    太郎冠者
    茂山 宗彦
    主人
    茂山 逸平
  • 雷電
    菅原道真の霊
    宮本 茂樹
    菅原道真の怨霊
    梅田 嘉宏
    法性坊律師僧正
    宝生 欣哉
    徒僧
    宝生尚哉
    小林 努
    能力
    茂山千三郎

第74回京都薪能「洛中洛外幽玄紀行」

開催日

令和7年6月1日(日)・2日(月)
午後6時~8時30分頃(開場:午後5時)

場所

平安神宮

〒606-8341 京都府京都市左京区岡崎西天王町97
※雨天時は会場が異なります。

ロームシアター京都 メインホール

〒606-8342 京都府京都市左京区岡崎最勝寺町13

番組

<6月1日(日曜日)>
観世流能「橋弁慶」、金剛流能「胡蝶」、
大蔵流狂言「髭櫓」、観世流能「融」

<6月2日(月曜日)>
金剛流能「嵐山」、観世流能「夕顔」、
大蔵流狂言「太刀奪」、観世流能「雷電」

対象

小学生以上

入場料

SS席10,000円
S席8,000円
A席7,000円
B席6,000円
自由席4,000円